ストックフォトのコツがわからない方に、撮影のネタ出しはブログに教えてもらおう

ストックフォトでの撮影のコツは自分本位の撮りたい写真を撮るのではなく、あくまでユーザーが必要とする写真を撮ることです。
本記事では、大まかな撮影ジャンルは決めた次の工程、具体的な撮影ネタを出す方法を実演していきたいと思います。
- 撮影ネタのリサーチスキル
- 写真の絵作りスキル
- 撮影の目的を整理するスキル
が身につきますので、撮影のディレクションができるようになります。
ストックフォトを撮影したいジャンルのブログをちゃんと読む
撮影のネタを出す場合、そのジャンルにすでに詳しいというのなら良いのですが、そうでない場合はいくら悩んだところで思い浮かびません。
思い浮かんでも、過去の見聞きした記憶や体験から引っ張り出されるだけですので、似たり寄ったりの表現になってしまいます。
ですので、どんな写真が欲しいのかは、直接ユーザーに聞いてしまうのが一番なんです。
もちろん直接聞く必要はなく、撮りたいと思うジャンルのブログやホームページをいくつか読めばそれでOKです。
検索上位に出てくるブログやホームページというのは、その検索ワードに対して役に立つと判断されて表示されています。
ですので、もしそのジャンルで撮影をしていきたいのであれば、その内容を知っておいてまず間違いがないです。
しかも、そのジャンルの専門家が書いていますので内容が濃く、多岐にわたるテーマを扱っている場合が多いです。
そして、そのブログやホームページのタイトルや内容文にぴったりな挿絵を用意するつもりで写真を撮っていきましょう。
すでに、その文章があるということは、少なからず写真やイラストも必要になってきます。
具体的に「エステ 資格」で検索してみました。
上位表示をされていたのは
・エステサロンのお仕事…エステサロンの資格や開業や税金の話など、サロンの経営者向けのサイト
・一般社団法人 日本エステティック協会て…資格そのものを発送している団体
・「なりたい」が見つかる職業情報サイト キャリアガーデン…エステティシャンの働き方をテーマに、資格、転職、年収や労働環境など、エステティシャンになりたい従業員向けの内容
など、「エステ 資格」でも微妙にサイトのターゲット層が違うのが興味深いです。
それでは「エステサロンのお仕事」を例にとってみてみます。
内容の充実度はもちろん素晴らしいのですが、すでに高品質な写真も使用されており、非常に参考になります。
白を貴重としたスッキリとした明るい写真の使用率が多いですね。
実際にサロンはカーテン越しの窓明かりの自然光を活かしたサロンと、キャンドルや電球の薄暗く暖かいイメージのサロンの2極化します。
同一の撮影ネタでも「明るい・薄暗い」の2パターン撮影するのがベストですね。
また、開業ならではでお金周りの話しなどが出ている点も非常に良いです。
だいたいストックフォトの写真は、お金=悪のイメージを彷彿とさせる写真が多いのですが、エステサロンの為におしゃれで爽やかなお金の写真を撮ってみるというのも良さそうです。
また、不動産ネタで一般住宅の模型はよく見るのですが、サロンの模型というのは見たことがありません。
その他、エステサロンのブログ集客など、なかなか自分では思い浮かばない話題が多くて非常に参考になります。
読んでいる最中にキーワードも抜粋してメモしておくと、タグ付けや撮影ネタ出しの際に役に立ちます。
ブログのヘッダー・タイトル・挿絵に使われる写真の傾向を観察する
ブログの場合ですが、まずページタイトル(大見出し)の次に、各項目のタイトル(小見出し)がきます。
そして、伝えたい項目の数だけ小見出しが続いていきます、
例えばそのブログが文字しかなかった場合、非常に見づらいサイトとなってしまいます。
ですので、適度に写真やイラストを入れるのですが、だいたい各タイトルの後に来ます。
つまり使われる写真はその各項目の内容を表すような写真であると良い、と言うことになります。
まず人は、目的がないと一字一句丁寧に読むということはしません。
ざっと見て判断します。
ですので、一番先に目に入る写真と目立つタイトル部分で、その記事の内容を無意識に受け取り、読むか読まないかの判断をします。
したがって、読者に読んでもらうための誘導をスムーズに行うために、文章の内容を象徴する写真があると良いということです。
例えば「エステサロンのお仕事」の「エステティシャンの仕事内容と1日の流れを知っておこう」というページ。
なかなな「シーツを掛けているエステティシャン」の写真というのはレアだと思うのですが、記事の内容を表す良い写真だと思います。
ただ、時計の写真はサイトの雰囲気にそぐわないような気がします。
恐らく、時計=時間を追われる、というイメージの写真が多かったので、サロンで使いたいような明るくて爽やかな写真が無かったのでしょう。
ストックフォトを使う人の状況を推理しよう

上では主にブログ媒体での話をしましたが、写真を使う人は様々で、使い方も様々です。
ですが、大きく分けて写真をそのまま使う層と、加工して使う層に分かれますので、それぞれの解説をしたいと思います。
ブログ、ニュースやポータルサイトなど、投稿記事用途の場合はそのまま使う事が多い
写真をそのまま加工せずに使う層は、主にデザイナーでない人に多いです。
ブログなどは、特に多いと思います、
例えばブログであれば、使われる箇所は、多くてもヘッダー・ページタイトル・小見出し・文章用の挿絵というところだと思います。
そのうちヘッダー部分は、ブログのタイトルが入ることと、ものすごく長方形になる関係で、ほぼ加工されます。
または、加工無しで使われる場合は、木目背景などの抽象的なイメージでしょうか。
ページタイトル用は運営者によりまずが、タイトルテキストが入っていたり、加工されることも多いです。
逆に小見出し用、挿絵用はほぼ加工されません。
そこで、写真内の余白をどれくらい取るべきか、ということを考えなければなりません。
ヘッダー用写真は、「切り抜き」や「丸抜き」など極端な加工をされることが多いですので、その加工がしやすいように撮影しましょう。
※単語がわからない場合は検索して調べてください。
ただし、狙ってヘッダー用の写真を撮影するのは難しいので、あまり気にしなくて大丈夫です。
タイトル用写真は、人によっては加工無しで使う人も多いですので判断が難しいところですが、加工されると言っても「テキストを載せる」加工をされることが多いです。
自分でテキストを載せる加工をしてみると分かるのですが、テキストを載せる場合は写真の背景部分の、
- 色数が少ない
- ごちゃごちゃせず、スッキリしている
- 極端に明るい・暗い
とテキストが読みやすいですので、そのような余白を意識して撮影を行いましょう。
また、写真の比率も長方形にトリミングしたほうがブログでは見やすい関係もあり、3:2または16:9が良いのかなと思います。
そして何より大事なのは、ブログなどその媒体を手がけているのがデザイナー等でない限り、トリミングやテキスト載せ程度の加工でも面倒で仕方がないということです。
というか、僕がブログを書いてみてわかったのですが、記事を書くのに力を注ぎすぎて、画像加工の余力がないのです。
例えば「白紙のボードを持った女性」の写真などは汎用性が高いのは良いのですが、やはり別にすでに需要があると思われるキーワードを載せた写真も用意しておくと、写真を使う人にとって助かるのではないかと思います。
小見出しや挿絵用写真に関しては、余白は考える必要はありませんが、とりあえずマニアックに撮影していきましょう。
これ何に使われるんだろう?レベルで撮影します。
例えばエステサロンであれば、エステタオルの洗濯や干すシーン、タイムカード、サロン用スリッパなど、明らかにタイトルなどには使われないでしょうが、記事本文中にちょっとした挿絵に使う需要を狙います。
大きくはダウンロードされないですが、「塵も積もれば山となる」ロングテール戦略で撮影ネタを出していきます。
ロングテール戦略で撮影ネタを出す場合は、有料ストックフォトにも投稿しておきましょう。
写真ACだけですとダウンロード数が少ない場合は売上的にはちょっと低いですが、有料ストックフォトも合算するとそれなりに売上があがります。
写真やイラストを加工する立場にいる人向けには、レイアウト上の使用箇所を意識する
写真やイラストを加工する立場にいる人とは主にデザイナーのことです。
一般Webサイトや印刷物のデザインなどをされる際には、ほぼ加工されます。
中でも「切り抜き」という処理がかなり多いのではないでしょうか。
この「切り抜き」処理を楽に行うポイントは、写真がブレておらずピントがガチガチに合っている事と、被写体とのコントラストがはっきりしている単色の背景であると言うことです。
また、レイアウト上「大胆なトリミング」をすることも多いですので、自分が思っている以上に構図に余裕を持って撮影するのがポイントです。
例えば、切り抜いて「腰上の人物の上半身」を使うつもりでも、膝上ぐらいから撮っておきましょう。
そうしないと、「腰上の人物の上半身」からさらにトリミングをかける必要が出た場合、レイアウト上パッツンパッツンになってしまいます。
また、レイアウト上写真が左右がどちらに配置されるのかも注意しましょう。
特に人物写真で顕著なのですが、カメラマンの視点から見ると人物撮影を行う場合は、左右の表情でライティング(照明配置)を変えるため、左右の両表情を撮影するのは地味に大変なんです。
ですが、デザイナーの視点から見ると、両方の表情が揃っていないとレイアウトしづらいのです。
仮に右向きの表情しか撮影していなかった場合、紙面上左にしか配置できなくなってしまいます。
被写体の髪型や骨格にもよりますので難しいところですが、そういったところも気にかけましょう。
ストックフォト用の撮影のコツまとめ

まず、撮影するジャンルを決めたらその先、写真が使われる媒体をよく観察しましょう。
- 各タイトルをイメージさせる写真を撮る
- 需要が小さいキーワードも撮影していく
- 媒体を作る実務作業をする人をイメージし使いやすい写真を撮る
掘り下げると細かくなりすぎますので、とりあえずいちばん重要なことは、写真が使われる媒体(ブログ)などをよく観察し、撮影できる範囲で撮影していきましょう、ということです。