Adobe Lightroom

Adobe Lightroom Classic CCの使い方5:現像パネルの使い方(切り抜き、スポット修正、赤目修正、段階フィルター、円形フィルター、補正ブラシ)

前回の記事では「基本補正、トーンカーブ、HSL/カラー、明暗別色補正、ディティール、レンズ補正、変形、効果、キャリブレーション」の説明をしたので、この記事では引き続き現像パネルの「切り抜き、スポット修正、赤目修正、段階フィルター、円形フィルター、補正ブラシ」を説明したいと思います。

この記事は、Adobe Lightroomの購入を検討している、またはLightroomを買ったけどどうやって使ったらいいかわからないという方に向けた記事です。

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切り抜き、スポット修正、赤目修正、段階フィルター、円形フィルター、補正ブラシはアイコン

「切り抜き、スポット修正、赤目修正、段階フィルター、円形フィルター、補正ブラシ」は他の項目のようにテキスト表記ではなく、ヒストグラムの下の部分にアイコンとして存在します。

上の画像がスのスクリーンショットです。左から「切り抜き、スポット修正、赤目修正、段階フィルター、円形フィルター、補正ブラシ」並んでいます。

最初一番右の長い横線はなんだろう?と思ってたんですが、「ブラシの柄」なんですね

写真を自分好みにトリミング「切り抜き」

撮った写真の余分なところを切ってしまうことを「トリミング」と言います。

縦横比とは、写真の縦と横の長さの比率で、使うメディアや表現によって変えましょう。

1×1の正方形や、テレビの16×9などのプリセット(予め設定されているもの)もありますが、南京錠マークをクリック解除することで好みに比率を変えることも出来ます。

また、写真の角度調整もこの「切り抜き」の項目でできます。

角度調整とは、建築や風景など、写真の水平をきちんと整えるために、写真を回転して傾きを調整することです。

スポット修正

スポット修正とは、ホコリやほくろ、傷など小さなものを除去できる機能です。

この機能には「コピースタンプ」と「修復」という2種類の機能があるのですが、以下のような違いがあります。

  • コピースタンプ…修正箇所に修正元のパターンを丸々コピー、ビルの窓を複製するような用途に
  • 修復…修正箇所に修正元のパターンをなじませて除去、ホコリ取りなどに

ホコリや傷を除去といった用途に使うのは「修復」ですので、基本的に「修復」を使うことが多いでしょう。

使い方はまず、ブラシのサイズをお好みで変更します。このブラシサイズの変更はショートカットキーを覚えるとすごく作業が早くなります。

  • ブラシを小さくする… [ キー
  • ブラシを大きくする… ] キー

「ぼかし」はブラシの輪郭のなじませ具合を設定します。特別な意図がない限り0で大丈夫でしょう。

次に、写真上の修正したい箇所を塗りつぶります。すると矢印が現れ、もう一つ「塗り潰し」と同じ形の輪郭が現れると思います。これがコピー元に使うパターンとなります。

このコピー元を移動させ、しっくり来る位置に調整すれば、修復完了です。

スポット修正は後から微調整が効く分便利なのですが、たくさん使うとLightroomの処理が重くなってしまいます。あまりにも修正箇所が多い場合にはAdobe Photoshopで修正することをおすすめします。

赤目修正

これは、暗いところでフラッシュを直接目に当てたときなどに目が赤くなる「赤目」現象を修正する項目です。

使い方はいたって簡単で、目の中心をクリックし、そのままドラッグで目の大きさにサイズ調整をするだけです。

段階フィルター・円形フィルター・ブラシ

この「段階フィルター・円形フィルター・ブラシ」の中身の機能は同じであるため一緒の項目で説明します。

これらの機能は「写真上にマスクを掛け、その箇所に様々な効果を与える」事ができます。

人の顔だけ明るくする、車のボディの色だけ変える、などといったことが可能となります。

段階フィルター、円形フィルター、ブラシのそれぞれの違いはマスクの掛け方で、

  • 段階フィルター…グラデーション状にマスクを掛ける
  • 円形フィルター…円状にマスクを掛ける
  • ブラシ…自分でマスクを塗ることでマスクを掛ける

という違いがあります。

段階フィルター、円形フィルター、ブラシのマスクの掛かり方の違い

段階フィルターは、風景写真の空と地平線を別に明るさ調整したいなど、調整したい範囲を直線的に分けたいときに使用します。

円形フィルターは円の選択範囲の中心部分、または周辺部分にのみマスクを掛けます。用途としては、逆光が入る窓を撮った室内など、窓以外の暗くなった部分を明るくする時などに使います。

ブラシは自分で色を塗った範囲のみにマスクが掛かりますので、かなり精密なマスクが可能となります。個人的には人の肌のみにマスクを掛け色調補正をする用途が多いです。

マスキングで知っていると便利な技

マスクテクニックを覚えると、失敗写真を救えるようになったり、撮影時足りなかった光を後から調整できたりと表現の幅が広がりますので、ぜひ覚えておきましょう。

追いマスク(手動編)

段階フィルターと円形フィルター、ブラシ全てに、「マスク:新規 | 編集」というのがあります。これは新規で新しくマスクを作る、編集ですでに作ったマスクに対して編集を加えるといった項目です。

ところが段階フィルターと円形フィルターは「マスク:新規 | 編集 | ブラシ」となっており、「ブラシ」が追加されています。これはすでに描いた段階や円形のグラデーションマスクに対し、手動でマスクを塗り追加削除出できる機能です。

この後からマスクを追加削除する工程をこのブログでは「追いマスク」と呼ぶことにします。

例えば、空とビル群の写真があったとして、空だけ青を濃くしたいとします。でも、ビルは濃くしたくない。

そんな時は段階フィルターでまず空をマスクし、「ブラシ」を使って後からビルの部分をマスクから除外します。

ただし、ブラシ機能をマウスで使う場合は少々難しく、ペンタブレットがあった方が良いでしょう。上の画像のように輪郭が綺麗に塗れません。

さらに、グラデーションマスクに「追いマスク」をする場合、元のグラーションのような繊細なグラデーションを手動で描くのは難易度が高すぎるため、以降に説明する「追いマスク(自動)」を使いましょう。

ブラシの使い方

Lightroomのブラシの使い方ですが、ブラシには3種類あります。任意に設定したブラシAB2種類と消去ブラシ(消しゴムツール)です。

ブラシで描いている途中にaltキー(Mac:コマンドキー)で消去ブラシにクイックアクセスできるため便利です。

項目は「サイズ」「ぼかし」「流量」「自動マスク」「密度」とあり、流量と密度の違いが分かりにくいですね。

  • サイズ…ブラシのサイズ、ショートカットキー[ ]で操作すると早い
  • ぼかし…ブラシの輪郭の柔らかさ
  • 流量…一筆でどれだけの濃さで描くか、数値が多いとマジックインキで塗った濃さ、数値が小さいとスプレーで薄く重ねがけしたような濃さになる
  • 自動マスク…マスクで描いた際の輪郭を自動で検出し、調整してくれる
  • 密度…流量と同様、数値を小さくすることで重ねがけが可能になる機能。違いは流量は濃くする方向にしか重ねがけ出来ないが、密度は薄くする方向にも重ねがけ出来る。つまり消去と同じ

「密度」は流量と消去の両方の機能を持ってるイメージで、今使っているブラシのサイズなどの設定を維持したまま、消去ブラシとして使うような使い方が便利です。

そして「範囲マスク」ですが、これはすで描いたマスクに対して、色や明るさ深度(ボケ)情報を元に自動で追いマスクをしてくれる機能です。

これはマスターしたい、追いマスク(自動編)

追いマスク(自動編)は、上記の範囲マスクの使い方の説明となります。色や明るさ情報を元にマスクの範囲を自動で検出してくれるので、手動で塗るといった手間がありません。

全てにうまくハマる機能ではないですが、ぜひとも覚えておきたいテクニックです。

  • 範囲マスク:カラー…すでにマスクがかかっている範囲の、スポイトツールでクリックした色の近似色を残す。主にカラー写真で使用
  • 範囲マスク:輝度…すでにマスクがかかっている範囲の、スポイトツールでクリックした明るさの近似の明るさを残す。主に白黒写真で使用
  • 範囲マスク:深度…iPhoneのポートレートモードなど後からボケを調整できるタイプの写真を撮影した時に使えるようになる

手動編と同じく、青空とビル群の空の部分だけマスキングを試みます。

まず青空にグラデーションを掛けてしまいます。この状態で「範囲マスクでカラー」を選びます。そしてスポイトツールで残したい色(この場合は青空)をクリックします。

青空の濃い部分をクリックし、適用量で効き具合を調整します。これでビルの部分がマスクから除去されました。

ここで注意点なのですが、上の写真のように空とビルが同系色の場合は、パッキリとマスクの輪郭が取れません。この場合は、ビルの陰や山などにもマスクがかかってしまっています。

ですが、このくらい曖昧でOKです。ここでさらに手動ブラシできっちりとマスクを描いてしまうと、合成したような違和感のある写真になってしまいます。

もう一つ例を出します。これは人物の肌のみをマスクする方法ですが、手軽で感動しました。

人物の顔などに、反転させた円形フィルターでざっくりとマスクを掛けます。

そして「マスク範囲でカラー」を選び残したい肌色をクリックします。すると一発でマスクが掛かります。

このマスク範囲は自動処理であるため、この様にマスクを掛けないといけない写真が複数枚続いても割と苦労がないです。手動でマスクを塗っていた頃を考えると雲泥の差です。