2020年2月に富士フイルムから発売された X100Vをカメラ初心者に向けに、なるべくわかり易い言葉でレビューしました。
実際に僕が持ち歩き、使ってみて感じたことは、子供やペット、風景など日常を記録するのにかなり最適なカメラだと言うことです。
作例もありますので、富士フイルム X100Vが気になっている方は、ご一読いただけると富士フイルム X100Vへの理解が深まると思います。

- 富士フイルム X100Vはスマホのように肌身離さず持てるカメラ
- 富士フイルム X100V 外観レビュー、懐古主義と未来志向の両立、昭和レトロなデザインと最新カメラの使い勝手
- 今回の富士フイルム X100Vにはチルト液晶が搭載、なんだかんだで便利
- 富士フイルム独自の技術、リアルな光、映像も見れるハイブリッドファインダー
- 大きな十字キーが無くなった、おかげで誤操作が少なく握りやすさアップ
- 絞り、シャッタースピード、ISO感度の3大設定項目が独立しているので操作しやすい
- 富士フイルム X100V 性能レビュー、F2.0の解像度向上、10cmの近接撮影、日常使いにこれ以上ない性能
- コンパクトなのに高画質、薄暗い室内でも綺麗に写る、子供の撮影に最適
- 描写がキリッとした写りに、背景をぼかしやすく、ブレにくいF2.0のレンズ
- 新設計のレンズで、樽型の歪みが少なくなった
- X-Trans CMOS 4センサーの瞳AFは実用レベル
- 10cmまで被写体に寄ってもピントが合う、日常生活の撮影にめちゃめちゃ便利
- スマホのカメラで背景がぼけたら良いのになという悩みを解決
- フィルムシミュレーション、クラシックネガは思い出を残してくれる
- 【その他作例27点】富士フイルム X100V で撮った写真
- 富士フイルムの現像ソフトにはCapture One Pro 20がおすすめ
- 製品仕様
- 富士フイルム X100Fからの良くなった点
- 富士フイルム X100V は写真の面白さを改めて教えてくれた
- 富士フイルム X100Vのお得な購入方法
- レンタルするならマップレンタルクイック
富士フイルム X100Vはスマホのように肌身離さず持てるカメラ

前機種の富士フイルム X100Fが3年ぶりにリニューアルし、富士フイルム X100Vが2020年2月に発売になりました。
スマホが普及した現代に置いては、一番身近で常に持ち歩くカメラは「スマホのカメラ」だと思います。
それだけ肌身離さず持ち歩けるカメラはそうはないと思いますが、この富士フイルム X100Vはそのスマホの携帯性と仕事でも使えるレベルの高画質を両立したカメラです。
常日頃、手元にスマホを置いていると思いますが、ぜひこの富士フイルム X100Vに置き換えてみてください。
子供やペット、風景、町並み、ちょっとした日常が富士フイルムの長年培ったフイルム色で彩られることでしょう。
富士フイルム X100Vはどんなカメラ?歴史とコンセプト

富士フイルム X100Vは2011年発売の初代X100から始まり、X100S、X100T、X100F、X100Vの第5世代のカメラ。
コンセプトはズームは出来ないかわりに、小型軽量高画質、ボディもクラシックなフィルムカメラを彷彿とさせるデザインで所有欲を満たします。
画質もシチュエーションによっては仕事でも使えるレベルで、カメラ・写真好きな人に向けたこだわりの逸品という位置づけのカメラです。
始めてカメラを買う人などは、あれもこれもと中途半端なズームレンズを買ってしまいがちですが、スマホのカメラのようにズームしないで撮ることに慣れている方には違和感がなく使えるカメラでしょう。
スマホのカメラに近い感覚で撮れる、広さと近さ

僕が富士フイルム X100Vを使ってみた印象は、普段スマホで写真を撮ってる人だと違和感なく使えるカメラだなということです。
ポイントは2つ
- 写真が写る広さを画角と言いますが、その画角がスマホに近いこと
- 被写体にカメラを近づけて撮ることを近接撮影と言いますが、そこもスマホに近い距離感
普段スマホで撮っているものを、背景をぼかした高画質とフィルムの色で残したい方におすすめできるカメラです。
スマホのように1日中持ち歩いても疲れない
富士フイルム X100Vは約476gと小型軽量コンパクトで大きめのスマホのようなサイズ感です。
ズームレンズのようにレンズが飛び出ていることもありませんので、テーブルの上にも置きやすく、1日首から下げておいても疲れません。
本当に撮りたい時にさっと撮れる、常に手元に置いておけるカメラです。
日常の記録、ムービー機能を使ってのVlog撮影など、かなり雰囲気が良く撮れてしまいます。
富士フイルム X100V 外観レビュー、懐古主義と未来志向の両立、昭和レトロなデザインと最新カメラの使い勝手

富士フイルムはご存知の通り、日本を代表するフィルムメーカーとしての長年の歴史があります。
それゆえに、昭和レトロのような古き良きカメラを求めるユーザーと、現代のデジタルカメラとしての最新の機能を求めるユーザーとの狭間にいるのが富士フイルムのカメラです。
富士フイルム X100Vは元々、最新機能よりもデザイン重視だったのですが、今回のバージョンアップでは主に最新のデジタルカメラとしての機能面の強化がなされています。
懐古主義的には骨董品屋に置かれていても映えるデザインを好むので、「背面液晶は動かなくていい、ボタンはスッキリシンプルにさせたい」などの意見。
未来志向的には「リアルタイムで仕上がりを確認できるファインダーがいい、背面液晶は動いたほうが使いやすい」など、意見が分かれる所です。
このデザイン的な所有欲を満たしたい懐古主義と、最新のデジタルカメラとしての使い勝手を求めた未来志向を両立したのが、今回のFUJIFILM X100Vです。
今回の富士フイルム X100Vにはチルト液晶が搭載、なんだかんだで便利

前機種の富士フイルム X100F以前のモデルは背面液晶が動きません。
今回の富士フイルム X100Vはチルト液晶が搭載され、ローアングル、ハイアングルの撮影が断然やりやすくなりました。
例えばスマホで四つん這いの赤ちゃんを撮影するのって、床付近に画面がありよく見えずに取りづらいと感じたことはないですか?
チルト液晶がその低い位置での撮影を簡単にしてくれます。
動くチルト液晶というと、一般的にはいかにも液晶がついていますという野暮ったいデザインになりがちで、懐古主義デザインの美学からは反する物なのです。
ですが、実用的にはあるに越したことはないこのチルト液晶。
富士フイルム X100Vは他カメラでは出っ張りが目立つチルト液晶部分を、限りなくカメラ本体とフラットにつながるデザインにしたことで、実用的な機能美を両立しました。
富士フイルム独自の技術、リアルな光、映像も見れるハイブリッドファインダー

カメラと言えば写真を撮るときの覗き穴(ファインダー)があるモデルがあります。
今のミラーレスカメラやコンパクトカメラというジャンルは、そのファインダーから見える風景も液晶画面であることが多く、実際のリアルな風景を見ていないことがほとんどです。
ファインダーが液晶であるタイプをEVF(エレクトリック・ビュー・ファインダー)というのですが、実際に写真に撮れるのと同じ映像を撮る前に確認できるというメリットがあります。
撮る前に、写真が暗すぎる、明るすぎるというのがわかるのです。
一方、昔ながらのOVF(オプティカル・ビュー・ファインダー)という、ガラス越しに実際の風景を見ながら撮るタイプのファインダーを光学式ファインダーといいます。
いわゆる、懐古主義デザインにはこのOVFのほうが断然似合うということ。
デメリットはカメラ上級者は別にし、普通は撮ってみないと写真が暗すぎるのか、明るすぎるの判断できないことです。
ただしメリットもあり、EVFは映像はコンマ数秒過去の映像を見ながら撮りますが、OVFは実際の風景を見ながら撮りますので、リアルタイムを見ているということです。
前置きが長くなりましたが、富士フイルム X100VはそんなOVFとEVFを両方搭載しており、スイッチひとつで切り替えて使うことができます。
このデザインとしての美しさはそのままに、実用的なハイブリッドファインダーを搭載しているのも富士フイルム X100Vのポイントのひとつです。
大きな十字キーが無くなった、おかげで誤操作が少なく握りやすさアップ

前機種の富士フイルム X100Fからぱっと見で一番変わった点と言えば、背面のボタンが少なくなったことでしょう。
従来はゲームのコントローラーのような大きな十字キーがありましたが、それが無くなっています。
かなり潔い判断だと思います。
この十字キーが無くなった事で、カメラがものすごく握りやすくなっています。
富士フイルム X100FではQボタンと十字キーに親指が知らずに当たってしまって、設定が変わっているということが多々ありました。
富士フイルム X100Vでは十字キーが無くなった分、フォーカスレバーとタッチパネルで操作をすることになりますが、タッチパネルは反応が悪いため、実質フォーカスレバーでの操作となるでしょう。
絞り、シャッタースピード、ISO感度の3大設定項目が独立しているので操作しやすい

富士フイルムに限らずデジタルカメラになってから色々とメニューや設定項目ができていますが、本来写真撮影に必要な項目は3つです。
それは、絞り、シャッタースピード、ISO感度です。
どのカメラも結局は、オートモードまたはマニュアルでこの3項目の設定値を変えて撮影します。
つまり、写真とカメラの仕組みがわかってくると、この3項目の設定をいかに早く変えられるかというのが、良いカメラ選びのポイントの一つになってきます。
富士フイルム X100Vはコンパクトカメラでありながら、この絞り、シャッタースピード、ISO感度を設定する項目がダイヤルとして独立しており、素早い操作性と使いやすさに繋がっています。
もちろんオートモードも搭載していますので、写ルンですのように気軽に撮りたい需要も、フルマニュアル設定値を決め、じっくり撮影したい需要も両方満たすことが出来ます。
富士フイルム X100V 性能レビュー、F2.0の解像度向上、10cmの近接撮影、日常使いにこれ以上ない性能

コンパクトデジタルカメラと言えば予算の関係上、微妙な性能のものが多いのですが、富士フイルム X100Vは高級コンパクトデジタルカメラ、値段もそこそこする分性能に妥協がありません。
やはりポイントは、F2.0の明るいレンズ、フルサイズ換算35mmの広角レンズ、10cmの近接撮影能力、そしてチルト液晶。
これらの要素が揃うと、屋外はもちろんのこと、室内での日常を撮るのにこれ以上のカメラは無いのではないかと感じてしまうほどです。
コンパクトなのに高画質、薄暗い室内でも綺麗に写る、子供の撮影に最適

画質の良し悪しは、カメラに搭載されているセンサーのサイズと品質、そしてレンズの品質により判断します。
富士フイルム X100Vはこのセンサーの品質も、レンズの品質もどちらも高く、画質だけで言えばプロが使っていてもおかしくないレベルの描写力です。
センサーは「X-Trans CMOS 4」、画像処理エンジンには「X-Processor 4」が搭載されており、従来機種に比べ
- 暗い場所でのピント合わせが可能になった
- 暗い場所でのピント合わせの速度が上がった
- 暗い場所でのガビガビした写真のノイズが少なくなった
- 最低のISO感度が低くなったので、屋外でもボカした撮影がしやすくなった
- 顔・瞳認識の精度が大幅に上がった
- 画面の隅っこでもピント合わせが可能になった
- フィルムシミュレーションのクラシックネガが使えるようになった
- 輝度・彩度の階調をコントロールできるカラークロームエフェクトが搭載された
などが強化されたポイントとなります。
コンパクトな外見に最新のセンサー・画像処理エンジンが搭載されていて、画質面の妥協のなさが伺えます。
描写がキリッとした写りに、背景をぼかしやすく、ブレにくいF2.0のレンズ

富士フイルム X100VはコンパクトなボディにF2.0という明るいレンズを搭載しており、フルサイズ換算35mmという広角描写でありながら、背景をぼかした撮影が楽しめるのも売りの一つです。
レンズが明るいと言うことは、暗い場所での撮影もブレにくく、室内の子供を撮る時などにも役立つでしょう。
富士フイルム X100VはそんなF2.0のレンズ描写が前機種より向上しています。
富士フイルム X100Fまでは、F2.0の設定値で撮影する場合、滲んだような、ピントが合っていないような、モヤッとする描写でした。
富士フイルム X100Vではそのモヤッとする描写が劇的に改善され、F2.0でもシャープでクリアな描写となっています。
新設計のレンズで、樽型の歪みが少なくなった
富士フイルム X100VのF2.0レンズは今回設計から見直されています。
前述のF2.0の画質向上に合わせて、レンズの樽型の歪みも改善されています。
従来の富士フイルム X100Fでは、建物などの人工物の写真では樽型に写ってしまう歪みが気になっていたのですが、富士フイルム X100Vではスッとした精悍な写りへとなっています。
X-Trans CMOS 4センサーの瞳AFは実用レベル

今やどんなカメラにもついている顔認識と瞳AF(オートフォーカス)ですが、富士フイルム X100Vにも搭載されています。
オートフォーカスというのは自動でピントを合わせてくれる機能で、AFと略されます。
瞳AFはカメラが人の顔や瞳を自動で認識に顔やピントを合わせに行く機能のことです。
この富士フイルム X100Vに限らず富士フイルムのカメラはAF速度と精度に弱い傾向があります。
その分カメラのモデルチェンジがあるたびに、AFの性能の進化が著しいのも富士フイルムのカメラでもあります。
富士フイルム X100Vは「X-Trans CMOS 4」のセンサーのおかげで瞳AFも決まりやすく、激しく動く人物でなければ瞳AFも実用的な仕上がりとなっています。
10cmまで被写体に寄ってもピントが合う、日常生活の撮影にめちゃめちゃ便利

富士フイルム X100Vの最短撮影距離は10cmです。
これはどういうことかと言いますと、撮影する被写体に10cmまで近寄ってもピントが合うということです。
富士フイルムの交換レンズは近距離撮影用のマクロレンズを除くと最短撮影距離は20cm前後であることが多く、もうちょっと近寄って撮りたい時に物足りなさを感じます。
10cmまで寄れると何が良いかといいますと、
- テーブルから立ち上がらずに料理のアップの写真が撮れる
- 子供や赤ちゃんの小さな指先のアップが撮れる
- 広い範囲が写るカメラなので、背景に不必要なものが写りこみがちだが、被写体に寄ることでそれだけに集中して写すことができる
など日常生活の撮影に大いに役立ちます。
それこそ、スマホで撮影するときの距離感をそのまま高画質で撮れるといったイメージです。
スマホのカメラで背景がぼけたら良いのになという悩みを解決

カメラ初心者には背景をぼかした写真を見てその良さに惹かれ、カメラを買うきっかけにする人もいます。
富士フイルム X100Vはフルサイズ換算35mmという広角レンズでありながら、F2.0という背景もぼかせるレンズを搭載しています。
広角レンズとは割と広い範囲で写ってしまうレンズです。
それこそスマホカメラの感覚に近く、室内などでも背景の色々なものが写り込んでしまいます。
ですが、その反面大胆な構図で面白い写真が撮りやすい画角でもあります。
F2.0で背景をぼかせるということは、室内撮影でも背景がぼかせるので被写体はくっきりと主役に引き立てつつ、状況が分かる程度にぼかした背景も入れる写真が撮れるというとです。
フィルムシミュレーション、クラシックネガは思い出を残してくれる

富士フイルムの真骨頂であるフィルムシミュレーション、富士フイルム X100Vでは新たにエテルナとクラシックネガに対応しました。
エテルナは映画撮影用のフィルムを模したもので、低コントラスト低彩度で豊かな階調性ほ持っているのが特徴です。
写真目的ではコントラスト彩度ともに低すぎて、のっぺりしているように感じるかもしれません。
一方クラシックネガは写ルンですを彷彿とさせるような、昔のネガフィルムの味わいを再現したフィルムシミュレーションです。
まるで、実家の本棚から見つかった思い出の写真のような風合いですね。
個人的にはかなり好きな風合いで、日常どんなものでも思い出化してくれるのがクラシックネガです。
【その他作例27点】富士フイルム X100V で撮った写真


左がフィルムシミュレーションのプロビア、右がフィルムシミュレーションのクラシックネガ。
店先の何気ない風景が、ノスタルジー溢れる写真になる。

フルサイズ換算35mmという広角なので、テーブル越しの近距離で撮影しても、状況がわかる写真になる。


左がプロビア、右がクラシックネガ。
富士フイルムのプロビアは緑が美しい、一方クラシックネガはストーリー性を秘めた仕上がりに。

少々の動き物ならピントが合う。
それよりも背景のぼけ方が素晴らしい。


左プロビア、右クラシックネガ。
プロビアの方が現代的な綺麗な写りで、いわば普通です。
クラシックネガの方は一気に昭和レトロ感が出ますね、面白いです。

富士フイルム X100Vはチルト液晶になったおかげで、このようなローアングルの撮影が非常にやりやすくなった。

富士フイルム X100V の近接撮影距離は10cm。
ここまで寄れるとそのへんの小物撮影が楽しくなる。

2020年3月に新しくオープンした山手線の高輪ゲートウェイ駅。天井のソーラーパネルの影が印象的フォーム、RAWで撮影しているので後からCapture One Pro 20でフィルムシミュレーションを変更。撮影時ではバタバタしてフィルムシミュレーションを検討している時間が無いので便利。

山手線の車両の色、床の色、差し込む光と影が面白かった。クラシックネガはコントラストが高めで、あえて陰影を付け印象的に仕上げたいときに最適。この写真もCapture One Pro 20で後からクラシックネガに設定したが、色の再現性もオリジナルと変わらない。

ソーラーパネルが敷き詰められた天井と電線とビルがメカメカしい。色もほぼブルー系でこの写真は反転させて魚眼レンズ風に歪ませたら宇宙コロニーっぽくなるのかなぁなどと考えていた。ビル群の白飛びとソーラーパネルの黒つぶれ具合を現場の明るい環境で判断するのは難しかったので、Capture One Pro 20で後から露出補正。

高輪ゲートウェイ駅の駅舎内、高い天井と特徴的な鉄骨、壁がほぼガラスと近代的な建築が特徴。この写真は緑がかったガラス越しに撮影。オリジナルデータは緑かぶりし、窓からの光は白飛びし、線路は黒つぶれするというjpg撮って出しにするにはなかなか難しい環境。Capture One Pro 20にて後から編集。下は編集前のオリジナルデータ、フィルムシミュレーションクラシッククローム。


高輪ゲートウェイ駅はガラスと駅舎内の明暗差が大きいのでシルエット撮影がしやすい。X100Vをカメラ任せで明るさを決める自動露出モードで撮影。後ほどCapture One Pro 20でシルエットが印象的になるように明るさ調整。

フルサイズ換算35mmという広角でもF2だったら手前は十分ぼかせる。ガラス面を手前にぼかして入れることで不思議な写真に。

クラシッククロームの青空は本当に美しいと思う。オリジナルデータでは駅の鉄骨は白飛びし、駅舎内は黒つぶれしているので、Capture One Pro 20で明るさ調整。

高輪ゲートウェイ駅の天井は折り紙をイメージしているそう。

気分を変えて、Capture One Pro 20でフィルムシミュレーションのASTIAに変更。かなり現代的な発色、むしろポスターなどではこの青の方が目を引き好まれるだろう。

スッキリした青空と、折り紙をイメージした折り重なり、木材をイメージしたスリット。近代建築ながら和テイストを盛り込んだ高輪ゲートウェイ駅。

上のシンプルな写真ととはうってかわり、エスカレーターに乗るとかなり情報量が多い風景も見える。まるで工場のようだ。

昭和レトロな外観の建物があったので、Capture One Pro 20でクラシックネガに変更後、フィルム粒子でノイズを加えてみる。X100V本体でもフィルム粒子を加える機能はあるが、Capture One Pro 20でも可能。

足元をふと見たらつくしが生えていた。つくしを見るのは本当に何年ぶりだろう。X100Vは被写体に10cmまで寄れるので、つくしでもここまでアップに撮影できる。背景も十分ぼけるので良い感じ。

クラシックネガは枯れた椿を撮るために生まれたんではないだろうかと思うほどにはまる。X100Vのjpg撮影では、画像周辺の黒落ち(ビネット・周辺減光)を自動で補正するので周辺が明るくなるが、Capture One Pro 20ではその周辺減光の補正をキャンセルできるので、画像周辺を暗くすることが可能。このような写真では周辺減光をオフにしたほうが雰囲気が出る。

何気ない公園の日常、まるで写ルンですの風合いを思い出させる写り。

上の公園と子供の写真とうってかわり、現代的なキレイな発色の公園と子供写真。全く逆の風合いをコンパクトなX100V1台で表現できるのがすごい。何度も言うが、フルサイズ35mmという広角レンズでも結構手前がぼけるので面白い表現ができる。

フィルムシミュレーションのASTIAは人肌が美しく表現できるモード。屋外の子供撮影にはかなり向いていると思う。この写真は地面スレスレにカメラを構えて撮影したもの。前機種のX100Fは液晶が動かないのでこのようなアングルで撮影するのはかなり難しいが、X100Vではチルト液晶のおかげでローアングルの撮影が簡単にできる。

富士フイルムのフィルムシミュレーションは、白黒も充実している。白黒だけでも8種類あるが、撮影現場でどれが良いのか決めるのは難しい。子供のような動くもの、撮影時間が少ない時は、後からCapture One Pro 20で選ぶのも手。

子供の手前に色々と物があるが、瞳AFがちゃんと顔を捉えてくれる。

画面の右上に顔があるような場合でも瞳AFは顔を捉えてくれる。

撮影時はF2.2。F2.2でも背景は十分ぼけてくれる。もしぼけていなかったら背景の枝がうるさい写真になっただろう。

手前の木の幹にカメラをくっつけて撮影、フルサイズ換算35mmの広角なのでこのような大胆な構図で写真が撮れるのが面白い。

至近距離で動き回るものの撮影は、ある意味プロスポーツの撮影より難しい。100%ピントが合うわけでは無いが、大分AFの動きも早くなった。この写真はAFを全画面エリアに設定し、AF-Cの追尾モードに、瞳AFで顔をカメラが自動で狙うように設定して撮ったもの。
富士フイルムの現像ソフトにはCapture One Pro 20がおすすめ
富士フイルム製のカメラはご存知の通り、フィルムシミュレーションにあります。
ですのでRAWでは撮らずにJPGで撮影するというのが玄人の意見だと思います。
もちろんそれができれば理想的です。
しかし、毎回撮影現場でカメラの設定を細かく試す余裕のある撮影なら良いのですが、そうでない場合も多いはずです。
例えば子供の撮影など、環境が目まぐるしく変わる場合は、フィルムシミュレーションを試すどころか露出の設定すらままらないでしょう。
そんな時はとりあえずRAWで撮っておき、家に帰ってから現像ソフトでゆっくり明るさ調整をしたり、フィルムシミュレーションを試したり、トリミングして構図を整えたりしましょう。
現在富士フイルムのフィルムシミュレーションを正しく再現できる現像ソフトは、
- 富士フイルムの X RAW STUDIO
- Phase One の Capture One Pro 20
だけとなります。
どちらも一長一短あり、
X RAW STUDIO…富士フイルム純正であり、良くも悪くもカメラと全く同じ。しかも無料。ただしトリミング、回転、周辺減光のキャンセル、各色の細かい補正ができない。そしてソフトの動作がかなりもっさりしていてストレスが溜まる
Capture One Pro 20…有料の現像ソフト。個人的にはフィルムシミュレーションの再現度は95%以上、X RAW STUDIO以上のことができる上、ソフトの動作も速く快適
僕は大量の写真を処理するので、ストレスがかからないCapture One Pro 20を好んで使います。

製品仕様
商品名 | FUJIFILM X100V |
有効画素数 | 約2610万画素 |
撮像素子 | APS-C X-Trans CMOS 4センサー |
焦点距離 | f=23mm(35mm判換算:約35mm相当) |
開放F値 | F2.0 |
最短撮影距離 | 約10cm |
AF方式 | TTLコントラストAF/位相差AF |
シャッター方式 | レンズシャッター方式 |
標準撮影枚数 | 約350枚~約420枚 |
質量 | 約478g |
富士フイルム X100Fからの良くなった点
前述の繰り返しにはなりますが、改めて前機種の富士フイルム X100Fから見て良くなった点を箇条書きにしたいと思います。

外観編
FUJIFILM X100F | FUJIFILM X100V |
背面の十字キー | 廃止、誤操作防止、握りやすさ改善 |
固定の動かない背面液晶 | 動くチルト液晶へ |
ロック解除が難しいISO感度ダイアル | ロック解除が簡単に |
タッチパネルではない背面液晶 | 背面液晶がタッチパネルに、指での操作に対応 |
104万ドットの背面液晶 | 162万ドットの背面液晶 |
軍艦部がマグネシウム合金 | アルミ製に変更、エッジがシャープになった |
視野率92%のOVF | 視野率95%のOVF |
236万ドットのEVF | 369万ドットのEVF |
性能編
FUJIFILM X100F | FUJIFILM X100V |
X-Trans CMOS 3センサー | X-Trans CMOS 4センサー、瞳AF、暗所AF、ノイズ軽減の強化 |
フィルムシミュレーション | エテルナ、クラシックネガが追加 |
F2.0のレンズ | 新設計でF2.0の描写力アップ、歪みも改善 |
NDフィルター3段分 | NDフィルター4段分 |
富士フイルム X100V は写真の面白さを改めて教えてくれた

富士フイルム X100Vのフルサイズ換算35mmという広角とF2.0という明るい単焦点レンズは色々なことを気づかせてくれると感じました。
ちょっと曖昧な表現になってしまって申し訳ないのですが、普段ズームレンズを使っていると自分の表現力が乏しくなってしまうんです。
ズームをすることで構図を作ってしまうので、いつも似たりよったりの面白くない絵になりがちなんです。
それが広角単焦点というレンズは、自分が被写体から離れれば風景も撮れ、逆に近寄ると大胆な面白い構図で写真が撮れてしまいます。
「こういう撮り方があったのか!」と逆にカメラに教えてもらっている気になってきます。
こんなにコンパクトなのに作品撮りにも、プロの仕事にも通用する富士フイルム X100Vは肌身離さずそばに置いておきたいカメラですね。
富士フイルム X100Vのお得な購入方法
富士フイルム X100Vを購入するなら、楽天市場がオススメです。
なぜなら最安値で購入できる可能性が非常に高いからです。
その理由は、元々の新品の商品価格が安めであることも多く、更に中古品も揃っている状態なのにポイント還元が大きいからです。
楽天市場で大量のポイント還元を受けるには、楽天のクレジットカードを作ったり、銀行を解説したり色々事前準備が必要なのですが、今後も買い物をする予定の方は楽天のポイント還元率は上げておいて損はないですね。

詳しくは別記事にまとめていますので興味があればご覧ください。

レンタルするならマップレンタルクイック
富士フイルム X100Vを買わずにレンタルするなら、マップレンタルクイックが断然おすすめです。
昨今カメラはレンタルするものという考えも広まってきており、レンタル会社も数社ありますが、ダントツで安いのはマップレンタルクイックです。
さらに、他社ではレンタル期間内に商品の受け取り・返却が含まれていることも多く、実質のレンタル期間は短かったりします。
ところが、マップレンタルクイックはレンタル期間に受け取り・返却の期間が含まれていないので、実質カメラを使える期間が長いのが嬉しい所。
もし富士フイルム X100Vをまだ買わずに、試してみたい、一時的に使ってみたいなどとお考えの方は、マップレンタルクイックをおすすめします。