Capture Oneは直感的に使えず、正直とっつきにくい現像ソフトだと思います。
初見殺しの、
- Capture One の「バリアント」って何?
- カタログ?セッション?どう違うの?
という悩みに答えていきたいと思います。
僕も始めの頃、何回か挫折しています。
ただし、それを乗り越えると逆に「こんなに快適なソフトはない!」と思えてきますので、これからCapture Oneを使って行きたい人に使い方をレクチャーしたいと思います。

セッション、カタログの説明の前にバリアントとは?

Capture Oneには他の現像ソフトには出てこない独特な用語がいくつかあります。
- バリアント
- セッション
- カタログ
が主なところだと思います。
それでは、一つずつ解説していきます。
Capture One のバリアント=写真のこと
バリアント=VariantとはCapture One上で表示された「シミュレーションされた写真」のことを指します。
Variantの語源は、「(写真とは)異なるもの」という意味です。
なぜ写真と言ってしまわないのか?
なのですが、これはオリジナルの写真には手を加えず、Capture One上でシミュレーションされた写真に手を加えるからです。
何のことかわかりませんね、つたない図説を用意しましたのでご覧ください。

直接編集型はカメラメーカーの純正現像ソフトに多い方式です。
- メリット…直接編集するため管理しやすく、ファイル数もそのまま、概念も理解しやすい
- デメリット…直接編集するため何かあった時に、編集前に戻れない、プレビューが遅い
非破壊編集型はCapture OneやAdobe Lightroomなどサードパーティー製の現像ソフトに多い形式です。
- メリット…オリジナル写真を残すので、不測の事態があっても無傷で戻れる、プレビューが早い
- デメリット…概念が分かりづらい、調整設定を記録したファイルが増えていく、写真の読み込みに一手間かかる
話しを戻して、なぜCapture One がバリアントという表現をするのかというと、「オリジナルの写真ではなくCapture One上でシミュレーションしたものですよ」ということからなんですね。
色々書きましたが、とりあえず「バリアント=写真のこと」を捉えてオッケーです!
Capture One のセッションとカタログの違い

Capture One の初起動をすると「セッションにしますか?」「カタログにしますか?」と出てきます。
ここで手が止まってしまう人も多いのではないでしょうか?
後から変えられますので、カタログという言葉に馴染みがなければセッションがわかりやすいでしょう。
逆にAdobe Lightroomなどに慣れている人は、カタログでも大丈夫です。
セッションが向いている人
撮影スタイルは人それぞれだと思うのですが、セッションが向いている人は、
- 写真をざっと見たいだけの人
- 1回の撮影あたり500枚以上とか大量に撮影しない人
- 写真を後から見返すことが少ない人
- ハードディスク容量が少なく、頻繁にバックアップをとる人
- 仕事を簡略化したい人
あたりでしょうか。
つまり、短期的な撮影(仕事)が頻発し、納品後はさっさと次の案件に行ってしまうような人向きですね。
順番に説明していきます。
写真をざっと見たいだけの人
セッションでCapture Oneを開くと、すでにパソコン内のフォルダが閲覧状態になっており、カタログのように改めて取り込むという段取りが必要ありません。
ですので、Adobe Bridge、Windowsのエクスプローラー、MacのFinderのような感覚で、いきなり閲覧が可能です。
1回の撮影あたり500枚以上とか大量に撮影しない人
500枚という数字にこだわりはないのですが、大量に撮影する人の目安という意味です。
セッションの場合は、写真を選ぶたびにCapture One上のプレビューを作成しにかかりますのでプレビュー表示までが若干長いです。
ウェディングや子供撮影、イベント撮影などは1日での撮影数が3000枚を超えるということもあると思います。
写真セレクトの段階ではプレビューが早いかどうかで、ストレス具合も違うと思いますので、撮影写真少なめの人向けでしょう。
写真を後から見返すことが少ない人
セッションはパソコン内のフォルダを直接参照するため、写真が入っているフォルダを外付けのハードディスクなどに移動して引き抜いてしまうと閲覧することができません。
ですので、そうなってしまっても構わない人が向いています。
イメージとしては、仕事で撮影し、納品が終わった後は外付けハードディスクに移動させて保管してしまうパターンですね。
ハードディスク容量が少なく、頻繁にバックアップをとる人
ノートパソコンなどハードディスク容量が少ない人は、頻繁に外付けハードディスクに移す作業が発生します。
カタログの場合は、カタログに読み込んだ写真すべての調整設定ファイルを「巨大なカタログというデータベース(拡張子.cocatalog)」に保管しています。
それが数十ギガになることもあり、ハードディスクを圧迫してしまいます。
セッションの場合は、参照するフォルダごとに小分けに調整設定ファイル(拡張子.cos)が自動作成されますので、バックアップの際はそのままフォルダを移動させてしまうだけで大丈夫です。
カタログの場合は、カタログ内にある写真を一部だけバックアップするとなると面倒なんです…
仕事を簡略化したい人
これは、セッションを新規作成する場合の話になります。
セッションを新規作成するとセッション名のフォルダが作成されるのですが、その中に
- 撮影フォルダ…メモリーカードやテザー撮影時の写真取り込むフォルダ
- セレクトフォルダ…撮影フォルダから、OKカットを移動させるためのフォルダ
- 現像フォルダ…調整後の出力した写真が保存されるフォルダ
- ごみ箱フォルダ…ボツカットを捨てるためのフォルダ
が自動作成されます。
そして地味に便利なのが、それぞれのフォルダがCapture One 上ですでにセットされた状態になっています。
わかりにくいと思いますのでスクリーンショットです。

このように、写真の取り込み先、現像先の項目にすでにセットされています。
今まで手動でフォルダを作ってセットしていたのですが、時短になります。
カタログが向いている人
一方カタログが向いている人は、
- 1回の撮影で数千枚単位で写真を撮る人
- 仮想のフォルダを作ることが出来る
- 写真がパソコンに入っていなくても編集可能
- オリジナル写真が入っているフォルダに更にフォルダを作りたくない人
- ハードディスクに余裕がある人
とにかく長期にわたる写真管理が得意といった印象です。
公式にある通り、旅行写真やドキュメンターを撮影する人向けですね。
1回の撮影で数千枚単位で写真を撮る人
セッションと違い、カタログの場合はカタログのデータベースに写真のプレビューデータそのものも保存しています。
ですので、最初の写真取り込みとプレビュー作成に時間はかかりますが、一度取り込んでしまえば全作業がサクサク進みます。
最初のプレビュー作成時に待つのかと思ってしまいますが、なにか違うことをしていれば良いのであまり気にならないでしょう。
特にウェディングや、子供撮影、イベント撮影など大量に撮影する人には助かると思います。
仮想のフォルダを作ることが出来る
ユーザーコレクションというものですが、例えば旅先で写真を撮り日付別に10日分フォルダを作るとします。
その10日分のフォルダ構成を崩さずに、人物だけ、風景だけ、建物だけといった風に抜き出して、仮想のフォルダに入れることができます。
Capture One内で写真管理を完結させたい人に向いていますね。
写真がパソコンに入っていなくても編集可能
外付けハードディスクなどに一度取り込み終えてプレビューを作成してしまえば、パソコン内に写真が入っていなくても編集が可能です。
最終現像出力時には、オリジナルの写真が必要ですので、ハードディスクを繋いでください。
数万枚の旅行写真を外付けハードディスクに保存、家に置いておき、出先でノートパソコンで編集作業をするときなどに便利です。
- セッション…パソコンから写真を消すと、見れなくなる
- カタログ…パソコンから写真を消しても、Capture One内で管理はできる
が大きな違いです。
オリジナル写真が入っているフォルダに更にフォルダを作りたくない人
セッションでは、フォルダごとに調整設定のフォルダ・ファイルが作成されます。
カタログでは調整設定などは大きなカタログデータベース内にすべて格納されますので、オリジナルの写真が入っているフォルダにフォルダ・ファイルは作られません。
ハードディスクに余裕がある人
セッションと違い、カタログのデータベースには調整設定のファイルの他、写真のプレビューデータや、設定によってはオリジナル写真そのものも格納されます。
カタログのデータベースだけで数ギガ〜数十ギガの容量に達してしまいます。
ですので、そこそこのハードディスク容量が無いと、頻繁に写真をバックアップに移す必要が出てきます。
セッションはオリジナル写真が入ったフォルダをそのまま移動させるだけで良かったのですが、カタログではバックアップに移すフォルダごとにカタログを切り出す必要があり、ちょっと面倒です。
Capture Oneのセッション、カタログの違いまとめ

Capture Oneを初めて使う際に引っかかる単語
- バリアント…写真のこと
- セッション…短期的な案件を撮影しては、即バックアップに回し、見返さない人向け
- カタログ…長期的にCapture One内で写真を管理していく人向け
ということですね。
この記事がCapture Oneを使う始めの一歩になればと思います。
