Capture One 12から正式に富士フイルムのフィルムシミュレーション対応となりましたね。
フィルムシミュレーションに対応するカメラには制限があるようですが、ちょうど対応しているX-T3を持ってますのでどのくらいの精度で対応しているのか調べてみました。
ちなみに、フィルムシミュレーションに対応しているカメラは以下のとおりです。
- 全部対応…X-T3、X-H1、X-Pro2、X-T20、X-T2、X-E3、X100F
- Eterna以外対応…GFX 50R、GFX 50S
のみとなります。
Capture One 12が対応しているフィルムシミュレーションの種類
富士フイルム製のカメラのAPS-C最新モデルではEterna(エテルナ)のフィルムシミュレーションがあります。
もちろんCapture One 12もEterna(エテルナ)に対応しています。
X-Pro2やX-T2、X-E3のカメラでは本来Eternaには対応していないのですが、Capture One 12のシミュレーションだと使えてしまうのがポイントです。
Provia、Astia、Velvia、Classic Chrome、Pro Neg.Std、Pro Neg.Hi、Eterna、Acros、Monochrome、Sepia
それでは、一番気になるであろうフィルムシミュレーションの精度を見ていきたいと思います。
前提条件として、それぞれのフィルムシミュレーションに「レンズ補正 – 光量低下」を100に、「シャープニング」を300に設定し、周辺減光とシャープネスを富士フイルムX-T3に似せてあります。
色調補正等、ノイズリダクションは触っておりません。
なお、今の所GFシリーズのレンズとX100しかレンズプロファイルがないため、歪みは「ディストーション」で調整するしかないです。
富士フイルムProviaのフィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションのProvia(プロビア)は、スタンダードの発色の位置づけで、オールマイティに使いやすい発色のモードです。
結論としては、中間調からハイライトにかけてマゼンダがかってはいますが、両画像を切り替えなんがら見れば気づく程度です。
プロビア・フィルムシミュレーション – ハイライト
あえて手前が暗く、奥が白飛びしているシーンを用意しました。


Capture One 12 vs Fujifilm Provia
フィルムシミュレーションでも中間のトーンには変化が見られません。


Adobe Lightroom vs Fujifilm Provia
Lightroomはハイライトの白飛びを抑え、コントラストが低い感じになっています。
それでは、ハイライトの部分のアップ比較をしたいと思います。


写真上の水色の鉄骨の色の飛び方の再現が素晴らしいですね。
Capture One 12の方は、オリジナルに比べ少しハイライト側のディティールが残っている感じです。


Lightroomの方は、白飛びを起こさないように色情報を残しています。
それゆえにオリジナルとは違う色再現になってしまいます。
これに関しては、ハイライトが飛ばないほうが良いときもありますし、どちらが良いかは用途にもよりますね。
プロビア・フィルムシミュレーション – 人肌
次に人肌の再現度です。
写真は後に露出補正をかけるテスト用に撮ってますので、ちょっと暗めです。


Capture One 12 vs Fujifilm Provia
Capture One 12の方は若干マゼンダがかっている気はしますが、肌の白飛び具合などはよく再現されており、色調補正だけで済みそうですね。


Adobe Lightroom vs Fujifilm Provia
Lightroomの方は、やはり白飛びを抑えるような発色になっています。
だからでしょうか、いまいちクリアな印象は受けません。
さらに、現像ソフト上で露出補正をかけたサンプルです。

Capture One 12では露出補正をしても、オリジナルと白飛び具合が似ており、Lightroomでは白飛びを抑えた仕様となっています。
Capture One 12の方では、少しマゼンダがかってますので、色相補正をしましょう。
富士フイルムAstiaのフィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションのAstia(アスティア)は、ソフトな発色をする、人物に使いやすいシミュレーションです。


Capture One 12 vs Fujifilm Astia
と


Adobe Lightroom vs Fujifilm Astia
傾向はプロビアと同じようですね。
富士フイルムVelviaのフィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションのVelvia(ベルビア)はビビッドな配色をする、風景撮影向きのシミュレーションです。


Capture One 12 vs Fujifilm Velvia
ハイライトがない中間色だからでしょうか?全く違いがわかりませんね。


Adobe Lightroom vs Fujifilm Velvia
気持ち暗く出ているようです。
富士フイルムClassic Chromeのフィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションのClassic Chrome(クラシッククローム)はドキュメンタリーなど発色を控えめに雰囲気を良くするシミュレーションです。


Capture One 12 vs Fujifilm Classic Chrome
と


Adobe Lightroom vs Fujifilm Classic Chrome
Lightroomの方が暗めに出ていますが、Classic Chromeの雰囲気的には良いですね。
どちらとも優秀です。
富士フイルムPro Neg.Stdのフィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションのPro Neg.Std(プロネガスタンダード)は彩度コントラスト共に低めの発色で、明るく優しい雰囲気にあうシミュレーションです。


Capture One 12 vs Fujifilm Pro Neg.Std
と


Adobe Lightroom vs Fujifilm Pro Neg.Std
富士フイルムPro Neg.Hiのフィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションのPro Neg.Hi(プロネガハイ)は彩度は低めにコントラストは高め、昭和レトロな雰囲気にあうシミュレーションです。


Capture One 12 vs Fujifilm Pro Neg.Hi
と


Adobe Lightroom vs Fujifilm Pro Neg.Hi
富士フイルムEternaのフィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションのEterna(エテルナ)は映画用フィルムをイメージしたPro Neg.Stdよりさらに彩度とコントラストを落としたシミュレーションです。
エアリーフォトなどふわふわした雰囲気に似合うんでしょうか?


Capture One 12 vs Fujifilm Pro Eterna
と


Adobe Lightroom vs Fujifilm Pro Eterna
Capture One12の富士フイルムフィルムシミュレーションのまとめ
Capture One Pro 12の富士フイルムのフィルムシミュレーションは、ハイライト付近でマゼンダに色が傾く傾向があるので、色相補正をしましょう。
ただし、白飛びの具合などはAdobe Lightroomより再現性は高いようですので、富士フイルム独特の抜け感が欲しい人はCapture One 12で満足できると思います。
逆に、ハイライト部が飛んでいないデータが必要な人は、Adobe Lightroomの使用が良いのではないかと思います。
